『パンデミック:完全治療』はこんなゲーム
パンデミック:完全治療は、世界中に広まった4種類の病原体の治療薬作成を目指す『パンデミック』と同じ世界観を持つダイスを用いた協力型ゲームです。
各プレイヤーはそれぞれ違った役割を担い、各地の病原体の治療をしていきます。
治療が得意な者や移動が得意な者など、役割は様々です。
今作は、アクションの内容や病原体もダイス(サイコロ)で決まってきます。
失敗条件がせまる中、協力して治療薬を作成し、4種全ての治療薬が完成するとゲームに勝利します。
『パンデミック』については、こちらでも紹介しています。
ゲーム名 | パンデミック:完全治療 |
メーカー | ホビージャパン |
ゲームデザイナー | Matt Leacock (マット・リーコック) |
人数 | 2~5人 |
時間 | 30分 |
年齢 | 8才~ |
価格 | 5,500円(税込) |
☆こんな人におすすめ!
・『パンデミック』が好きな方
ゲームの難易度は本作の方が軽めなので、さくっと楽しめます。
・協力ゲームが好きな方
いろいろな役割を使ってみんなで目標が達成できると楽しいですね。
・サイコロを振るゲームが好きな方
何度もサイコロを振るので、それだけでも楽しいかもしれませんね。
『パンデミック:完全治療』の準備
- ①治療施設ボードと地域タイル
テーブルの中央に「治療施設ボード」を配置します。
その周囲に地域タイルを1から6まで時計回りで配置します。
- ②感染率
治療施設ボードの「感染率」の箇所に、感染率を表す注射器をセットします。
ゲームの難易度がⅠ~Ⅲまであり、初めての場合はⅠにセットします。
- ③アウトブレイク
治療施設ボードの「アウトブレイク」の十字マークの箇所に、
アウトブレイクの回数を表す注射器をセットします。 - ④感染ダイスの準備
「赤・青・黄・黒の4色12個=合計48個」の感染ダイスを
感染バッグの中に入れ、よく混ぜます。
- ⑤感染ダイスを振る
感染バッグから感染ダイスを12個、ランダムに取り出して振ります。
十字の目場合は、数の目が出るまで振り直します。
- ⑥感染ダイスの配置
ダイスの目に応じた地域タイルの上に、感染ダイスを配置します。
ただし、1つの地域タイルの上に同じ色のダイスが4個以上配置される場合、
4個目以降のダイスは振り直します。
同じ地域タイルの上に配置される同じ色のダイスは、3個以下になるようにします。
- ⑦CDCタイル
CDCタイルと治療薬開発済み病原体カードを、治療施設ボードの近くに配置します。
- ⑧イベントカード
イベントカードを裏向きでよく混ぜ、山札としてCDCタイルの横に配置します。
山札から3枚引き、山札の横に表向きで並べておきます。
- ⑨役割カード
7枚の役割カードを裏向きでよく混ぜ、各プレイヤーへ1枚ずつ配ります。
各プレイヤーは、同じ役割の以下の物を受け取ります。
・プレイヤーコマ
・プレイヤーダイス
・プレイヤーエイドカードその後、各プレイヤーコマを1の地域タイルの上に配置します。
使用しなかった役割カードと先程列挙した物は、箱にしまっておきます。
『パンデミック:完全治療』のルール
ここからは、パンデミック:完全治療のルールを紹介していきます。
スタートプレイヤーは、適当な方法で決めておきます。
手番は、そこから時計回りで進行していきます。
① アクションの実行
手番が来たプレイヤーは、自分のプレイヤーダイスを全て振ります。 アクションの目とパンデミックの目があり、その後の処理が異なります。
アクション
アクションの目には、以下のルールがあります。
- アクションの目の場合、実行するまでは好きな目になるまで、
何度でも振り直しをすることができる - アクションを実行した場合、そのダイスは脇によけて その手番では使用できない
- 全てのアクションを実行しなくてもよい
また、アクションの目は基本的に4種類あり、詳細は以下の通りです。
・飛行機 自分のプレイヤーコマを、好きな地域タイルへ移動する。 | |
・船 自分のプレイヤーコマを、隣接している地域タイルへ移動する。 | |
・治療 自分がいる地域にある感染ダイスを1個、治療施設ボードの中央におく。 または、治療施設ボードの中央にある感染ダイスを1個、感染バッグに戻す。 ※ 治療薬が完成している場合 完成している治療薬と同じ色の感染ダイスを治療する場合、 自分がいる地域もしくは治療施設ボードの中央にある感染ダイス全て移動させることができる。 | |
・サンプル採集 治療施設ボードの中央にある治療薬が未開発の感染ダイスを1個、 自分の「サンプル採集」のダイスと一緒に手元におく。 他プレイヤーに渡すか③治療薬の開発を実行するまでは、 その2個のダイスをセットで自分の役割カード上においておく。 |
その他のアクション
その他のアクションには、以下のものがあります。
- 役割毎の特殊なアクション
その役割にだけ存在するアクションの目があります。
詳細は、役割カードに書かれています。 - /で区切られた目
この目は、2つのアクションの内どちらかを実行することができます。
バイオハザード
バイオハザードの目には、以下のルールがあります。
- 目が出た時点でそのダイスを振り直しできず、直ちに処理をする
- 目が出た分、感染率の注射器を1スペース進める
- 処理が終わったら、ダイスは脇によけておく
- 注射器がマークのあるスペースに到達すると、「エピデミック」が発生する
感染率の注射器がドクロのスペースまで進んだ場合、 プレイヤーは敗北する
エピデミック
エピデミックが発生した場合、以下の手順で処理をします。
- ①感染ダイスを振る
治療施設ボードに示された現在の感染率に書かれた数の
感染ダイスを感染バッグから引き、
治療施設ボードの中央にある感染ダイスと共に振ります。 - ②感染ダイスの配置
数の目が出た場合、各地域タイルに感染ダイスを配置します。
十字の目が出た場合、CDCタイル上に感染ダイスを配置します。
- ③アウトブレイクの確認
1の地域タイルから時計回りに、「アウトブレイク」の発生を確認します。
1つの地域タイルの上に同じ色のダイスが4個以上配置されている場合、
アウトブレイクは発生します。
- ④通常の手番に戻る
これら①~③の処理が終わったら、通常の手番に戻ります。
アウトブレイク
1つの地域タイルの上に同じ色のダイスが4個以上配置された場合、 アウトブレイクが発生します。
アウトブレイクは、エピデミックの処理や④地域の感染の際に発生します。
アウトブレイクが発生した場合、以下の手順で処理をします。
- ①アウトブレイクの注射器を1スペース進める
- ②感染ダイスの移動
アウトブレイクを起こした色の4個目以降の感染ダイスを、
時計回りに次の地域タイルに移動させます。
移動させた感染ダイスによってその色が4個以上になった場合、
そこでもまたアウトブレイクが発生し、同様に処理します。
アウトブレイクの注射器が8のスペースまで進んだ場合、 プレイヤーは敗北する
② サンプルを渡す
手番プレイヤーの役割カード上にサンプルがある場合、他プレイヤーへサンプルを渡すことができます。
サンプルを渡すには、以下のルールがあります。
- 手番プレイヤーのコマと同じ地域ボード上にいる他プレイヤーへ
サンプルを渡すことができる - サンプルが複数ある場合、感染ダイスから1色決めてその色を全て渡す
- サンプルを封印しているプレイヤーダイスも併せて、他プレイヤーに渡す
③ 治療薬の開発
手番プレイヤーは「治療薬の開発」を 試みることができます。
治療薬の開発を試みるには、以下のルールがあります。
- 役割カード上にあるサンプルの感染ダイスから1色決め、その全てのダイスを振る
- 振ったダイスの合計値が「13」以上の場合治療薬の開発に成功し、「12」以下の場合失敗となる
- 十字の目は「0」扱い
- 成功
1. 感染ダイスの内1個を「治療薬開発済み病原体カード」の上におく
2. 「振ったサンプルの残りの感染ダイス」「他プレイヤーの同じ色の感染ダイス」
「治療施設ボードにある同じ色の感染ダイス」を感染バッグに戻す
3. プレイヤーダイスを持ち主に戻す - 失敗
サンプルはそのまま保持する
④ 地域の感染
治療施設ボードに示された「現在の感染率と同じ数の感染ダイス」を感染バッグから中を見ずに引き、振ります。
感染バッグに残っているダイスの数が、現在の感染率よりも少ない場合、プレイヤーは敗北する
ダイスを引く瞬間以外、感染ダイスの残りを見るためにバッグを確認してもよい
地域の感染には、以下のルールがあります。
- 数の目は全て、その目に対応する地域ボード上に配置する
- その後、1の地域から時計回りで「アウトブレイク」のチェックを行う
- 十字の目は全て、CDCタイルの上に配置する
イベントカード
CDCタイルの上に配置された十字の目の感染ダイスを使い、イベントカードを使用することができます。
表向きに並べられた3枚の中から1枚選び、 コストの部分に描かれた数分、 十字の目のダイスを感染バッグに戻します。
使用後は裏向きにしてイベントカードの山札の一番下に入れ、山札から表向きのカードが3枚になるように並べます。
役割カード
役割カードの種類は、以下の通りです。
・衛生兵 ■「注射器2本」のダイス目で、治療のアクションを2回実行する。 ■「注射器3本」のダイス目で、治療のアクションを3回実行する。 | |
・通信指令員 ■自分の手番中、自分のいる地域にいる他のプレイヤーコマを アクションを消費せずに他の地域へ移動する。 ■「ヘリコプター」のダイス目1個を役割カードの上に乗せる。 使用することができ、1つの地域にいる好きな数のプレイヤーを、 他の地域1つへいつでも移動できる。 | |
・科学者 ■治療薬の開発を試みる際、ダイスの合計数値に+2する。 | |
・調査員 ■サンプルを他の地域にいるプレイヤーへ、 いつでもアクションを消費せずに渡すことができる。 | |
・危機管理官 ■「十字」のダイス目を使い、自分がいる地域または治療施設ボードにある 感染ダイス1個を、十字の目を上にしてCDCタイルの上に置く。 | |
・防疫の専門家 ■ある地域に入ったとき、その地域にある2個以上の感染ダイス 各色1個ずつを治療施設ボードに置く。 ■「矢印」のダイス目を使い、治療施設ボードにあるダイスを3個まで 感染バッグに戻すことができる。 | |
・ゼネラリスト ■ダイスを7個持っている。 ■毎手番、最初に出た「バイオハザード」については、 感染率を表示した注射器を進めない。 |
ゲームの終了
以下の条件になればゲームのは終了し、プレイヤーの勝敗が決まります。
勝利条件
- 4種類の病原体の治療薬が完成した場合、その時点でゲームは終了し、プレイヤーの勝利となります。
敗北条件
- 時間切れ
感染率を表示している注射器が、最後のドクロのスペースに達した場合 - アウトブレイク多発
8回目のアウトブレイクが発生した場合 - 感染者多発
「④ 地域の感染」の時、感染バッグの中の感染ダイスが足りなくなった場合
『パンデミック:完全治療』の感想
・遊びやすいプレイ時間と難易度
ボードのパンデミックに比べると、時間も短くルールも簡単で遊びやすい印象。
準備も元のゲームに比べると楽です。
勝利には運の要素も必要ですが、たくさんのダイスを振るのも楽しいので、手頃な協力ゲームですね。
・運だけのゲームではない
アクションダイスは振り直しができるので、しっかりと何をしたいか考えてアクションをすることが重要です。
計画通りに展開していくと楽しいですよ。
・ドキドキするのが楽しい
バイオハザードマークや感染ダイスの配置など、 サイコロで運命が決まるドキドキ感は、元のゲームにも負けていません。
サイコロを振って一喜一憂するのは楽しいですね。
・奉行問題はなくはない
協力ゲームにおける「奉行問題」と呼ばれる、よく理解している人が 全員に行動を支持してしまう問題はありえなくはないです。
ダイス運で決まる部分もありますが、気を付けてプレイしたいものです。
最後に
今回は、『パンデミック:完全治療』をご紹介しました。多くの要素がダイスになった、パンデミックシリーズの協力ゲームです。
最近はなかなか流通していないのが残念ですが、 本格的な協力ゲームに初めて挑戦する方にはおすすめですよ。
役割カードの組み合わせも重要なので、
いろいろ試すのも楽しいですよ。