『はんか通骨董市』はこんなゲーム
はんか通骨董市は、江戸の商人となって骨董品を集めてくるハンドマネージメントです。
プレイヤーは、仕切と呼ばれる役のプレイヤーが「甲」と「乙」の2つのグループに分けた骨董品カードに対して、投票を行います。
同じグループに複数人いた場合はこれをくり返し、カードが全ていきわたるまで行えばラウンドは終了します。
これを5ラウンド行うと、ゲームは終了します。
獲得したカードを計算し、最も点数の多いプレイヤーがゲームに勝利します。
この記事では、「インディーズで出版された」『はんか通骨董市』を元に書いています。
現在は「アークライトから出版」されている後継ゲーム『ヘンゼルかグレーテル』とは、カードの絵柄等が少し異なっている場合があります。
ゲーム名 | はんか通骨董市 |
メーカー | OKAZU brand |
ゲームデザイナー | 林 尚志 |
人数 | 3~6人 |
時間 | 15~30分 |
年齢 | 8才~ |
価格 | 1,800円(税込) |
☆こんな人におすすめ!
・読み合いが好きな方
バッティング要素があるので、誰がどこを狙っているのか読み合いがあります。
・お子さんと遊ぶゲームを探している方
手元で簡単な計算をするので、勉強にもなりますね。
・かわいい絵柄が好きな方
ウシやウチュージンはとてもかわいいですよ!
『はんか通骨董市』の準備
- ①反物カード
反物カードは、1つにまとめて置いておきます。
- ②市場カード
- 骨董品…56枚
- 宝石…9枚
- アクション…9枚
合計で74枚の市場カードを裏向きにしてよく混ぜ、山札とします。
この山札をプレイ人数に応じて、5つの山に分けます。
- 3人…8枚
- 4人…10枚
- 5人…12枚
- 6人…14枚
市場カードの山を左から順番に1ラウンド目の山、2ラウンド目の山…5ラウンド目の山と呼びます。
- ③瓦版カード
瓦版カードを5ラウンド目の山の右側に置き、残った市場カードをその上に置きます。
これを「瓦版」と呼びます。
- ④千両箱カード
千両箱カードを瓦版カードの右側に置きます。
- ⑤選択カード
各プレイヤーは、6色の選択カードから1色を決め、2枚受け取って手札とします。
- ⑥仕切
適当な方法で「仕切」と呼ばれる役のプレイヤーを決めます。
仕切は、以下のカードを受け取ります。
- 仕切カード
- 売り場カード(甲・乙)
- 元締カード
仕切カードは自分の前に置き、残りはまとめて持っておきます。
『はんか通骨董市』のルール
ここからは、はんか通骨董市のルールを紹介していきます。
カードの見方
最初にカードの見方を解説しておきます。
市場カード
骨董品カード
- 種類
- 勝利点
- 限界枚数
書かれた勝利点がもらえる最大の枚数
宝石カード
- 種類
- 勝利点
アクションカード
- 種類
- 効果アイコン
効果の詳細は、後程解説します。
その他
反物カード
- 種類
- 勝利点
- 限界枚数
書かれた勝利点がもらえる最大の枚数
選択カード
甲と乙の2枚
元締カード
仕切カード
売場カード
瓦版カード
千両箱カード
① 準備フェイズ
「仕切」役のプレイヤーは、今回のラウンドの山から市場カードを全て受け取り、1枚ずつ表向きにして1列に並べてます。
② メインフェイズ
仕切役のプレイヤーは、1列に並べた市場カードを2つのグループに分けます。
これには、以下の条件があります。
- 市場カードの順番を変えてはいけない
- 左右2つに分けたグループには、少なくとも市場カードが1枚以上は含まれていないといけない
- 左右2つに分けたグループに含まれない市場カードがあってはいけない
分けた市場カードに「甲」と「乙」のカードを置きます。
その後、仕切が元締カードを表向きにして置きます。
これには、以下の条件があります。
- いずれかの市場カードと市場カードの間
- 市場カードの端
仕切を含めた今回の選択に参加しているプレイヤーは、どちらのグループが欲しいか選択カードの「甲」か「乙」のうち、どちらかを選択して裏向きに出します。
全員が出そろったら一斉に表向きにします。
選択カードが公開されたら、以下の順で処理します。
「甲」→「乙」の順に、3種類のパターンのどれかを確認して処理します。
a. グループを選択したプレイヤーが0人
b. グループを選択したプレイヤーが1人
c. グループを選択したプレイヤーが2人
a. グループを選択したプレイヤーが0人
そのグループの市場カード全てを千両箱カードの上に表向きで重ねて置きます。
元締カードがあった場合、仕切が取って持っておきます。
b. グループを選択したプレイヤーが1人
選択したプレイヤーが、選んだ市場カードを全て受け取ります。
その中に元締カードがあった場合、裏向きにして受け取ります。
これ以降、このラウンドでは参加者ではなくなります。
市場カードを受け取った際の処理
- ①骨董品カード
骨董品カードを種類別に自分の前に並べます。
今までに受け取っている骨董品カードがある場合、その上に少しずらして置きます。 - ②アクションカード
受け取ったアクションカードを好きな順番で使用します。
使用後は箱に戻します。アクションカードの種類は次の通りです。
・大火
ゲーム終了時まで所持しておく。
ゲーム終了時に-4点。・儲け話
「瓦版」から1枚市場カードを引いて獲得する。
アクションカードだった場合、そのカードの効果を使用する。・破損
すでに持っている自分の骨董品カードのうち、2枚を捨て札にする。
2枚以下の場合、可能な限り捨て札にする。・贋作
すでに持っている自分の骨董品カードの枚数を数える。
一番枚数が多い種類の骨董品カードの上に置き、その骨董品カードとして扱います。
一番多い種類が複数あった場合、1種類選んでその骨董品カードとして扱います。
1枚も骨董品カードを持っていない場合、箱に戻します。
※ 贋作カードは、破損カードで捨て札にすることができます。
また、限界枚数に含めます。
c. グループを選択したプレイヤーが2人
対象のカード枚数によって、処理が異なります。
今回使用した選択カードを裏返し、そのグループのそばに置きます。
あとでこのグループの参加者となります。
対象の市場カードを千両箱カードの上に表向きにし、千両箱カードの上に表向きで重ねて置きます。
このグループを選択したプレイヤーは、それぞれ反物カードを1枚受け取ります。
これ以降、このラウンドでは参加者ではなくなります。
反物カード
受け取った後は、骨董品カードと同じように扱います。
反物カードがない場合、以降は受け取ることはできません。
同時に複数人受け取る際に足りない場合、仕切のプレイヤーから時計回りで受け取ります。
次のターンを行います。
以下の順番で次に行うグループが決まります。
- 今のターンの「甲」グループ
- 今のターンの「乙」グループ
- 以前のターンで「乙」グループとなり、2名以上参加しているグループ
分けた市場カードとグループはそのままにし、選択カードを受け取ります。
「仕切」役は以下のカードを左隣のプレイヤーに渡します。
- 仕切カード
- 売り場カード(甲・乙)
- 元締カード(持っていれば)
「仕切」は参加者でなくてもかまいません。
2名以上参加しているグループがなくなった場合、次のフェイズに進みます。
③ 元締フェイズ
元締がいるかどうかで処理が異なります。
「元締」は千両箱カードの上にある市場カードを全て受け取ります。
市場カードを受け取った際の処理は、通常通りです。
もし千両箱カードの上にある市場カードが0枚だった場合、反物カードを1枚受け取ります。
その後、以下のカードを受け取り、次のラウンドの「仕切」となります。
- 仕切カード
- 売り場カード(甲・乙)
- 元締カード
「仕切」は以下のカードを左隣のプレイヤーに渡します。
- 仕切カード
- 売り場カード(甲・乙)
- 元締カード
千両箱カードの上にある市場カードはそのままにしておきます。
全てのプレイヤーは、選択カードを回収します。
① 準備フェイズに戻り、これを5ラウンド行います。
ゲームの終了
5ラウンド目が終了したら、ゲームは終了します。
最終得点の計算は、以下の通り行います。
- ①骨董品カード
種類ごとに枚数を数えます。
- その種類の限界枚数以下の場合
骨董品カードに書かれている勝利点を枚数分獲得します。 - その種類の限界枚数を超えている場合
1枚あたり-1点獲得します。
- その種類の限界枚数以下の場合
- ②宝石カード
宝石カードに書かれている勝利点を枚数分獲得します。
- ③大火カード
大火カードに書かれている勝利点を枚数分減点します。
- ④合計
①~③の勝利点を合計して、最も点数の多いプレイヤーがゲームに勝利します。
- ⑤同点の場合
それらのプレイヤーの中で、骨董品カード、宝石カード、大火カードの合計枚数が少ないプレイヤーとなります。
『はんか通骨董市』の感想
・分けるのも取るのも悩ましい
並んだ骨董品カードを分ける際は、他プレイヤーの状況や自分の都合をおり交ぜて分けると思います。
取る際も、他プレイヤーが欲しそうなのを見極めたりして、自分が得する方を考えます。
その一手ずつ悩ましく考えるのは楽しいですね。
・ルールはシンプル
2つに分けたカードを山分けするだけという、かなりシンプルなルールなので、 老若男女誰でも遊びやすいです。
シンプルさの中に、互いの考えを読み合うおもしろさも充分にありますね。
・限界枚数がいいスパイス
ただ欲しい物を集めるだけではなく、持ちすぎるとマイナス点になってしまうルールがいいですね。
勝っている人の邪魔をしたりと、戦略に幅ができて楽しいですよ。
・機械的になりがち
分けて取ってをくり返していくので、深く考えないと少し機械的にゲームが進んでしまうかもしれません。
シンプルなルールなので、毎ラウンドの開始時に「あのカードが取れるかな」など、 小さな目標が決められるとおもしろくなると思います。
最後に
今回は、『はんか通骨董市』をご紹介しました。並べたカードを切り分けて取るだけですが、各プレイヤーの思惑が渦巻く楽しいゲームです。
自分と他プレイヤーとの損得を考える悩ましさ、他プレイヤーがどれを狙いたいかを考える読み合いがおもしろいですね。
お子さんとも気軽に遊べるので、ぜひ現在流通している「ヘンゼルかグレーテル」でも遊んでみてください。
取ったカードが公開されているので、
より思惑の読み合いが激しくなるのが楽しいですよ!