『とりっく&でざーと』はこんなゲーム
とりっく&でざーとは、パスした際に捨て札にしたカードによって取り札として獲得したカードの点数が変化する、マストフォローのトリックテイキングゲームです。
3回分のゲームを行い、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。
トリックテイキングって何?という方も、いるかと思います。簡単ですが、ルール説明の前にトリックテイキングの解説も行います。
ゲーム名 | とりっく&でざーと |
メーカー | 操られ人形館 |
ゲームデザイナー | 常時 次人 |
人数 | 2~4人 |
時間 | 30~45分 |
年齢 | 12才~ |
価格 | 2,200円(税込) |
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☆こんな人におすすめ!
・トリックテイキングが好きな方
ルールはシンプルですが、点数の決め方がおもしろですよ。
・トリックテイキングが初めての方
使わなくなった色を示すボードがあったり、初心者にも優しいです。
・作業が同時並行できる方
勝負に勝つのと高得点を狙うを同時にするので、マルチタスクな方はおすすめです。
トリックテイキングとは
ここでは、トリックテイキングと呼ばれるゲームシステムの概要と、このゲームでも出て来る簡単な用語解説を行います。
概要
トリックテイキングとは、トリックと呼ばれる小さな勝負をくり返し、ポイントを獲得していくゲームのことをいいます。
手札のカードから1枚選んで出し、それ以降は一定のルールに従って順番にカードを出していきます。
全員のカードがでそろったら勝敗を決定します(ここまでを1トリックといいます)。
基本的には、数字の大きさを比べて勝敗を決めます。
この流れをくり返し、トリックの勝利数やその他の条件で点数を決め、ゲーム全体の勝敗を争っていきます。
用語解説
- 手札
各プレイヤーに配られたカードのことを言います。 ハンドと呼ぶこともあります。 - トリック
各プレイヤーが順番にカードを出して、その勝敗を決めることを言います。
トリックで勝利することを「トリックを取る」と言います。 - フォロー
そのトリックで最初に出された色(もしくはマーク)と同じ種類のカードを出すことを言います。 - マストフォロー
最初に出された色(もしくはマーク等)と同じ種類のカードを持っている場合、必ずそのカードを出さないといけないルールのことを言います。 - 取り札
トリックに勝利したプレイヤーが獲得する、場に出された全てのカードのことを言います。 手札とは分けておいておきます。 - ディール
手札がなくなるまでなど、一定数のトリックを行うことを言います。
『とりっく&でざーと』の準備
主にプレイに使用するカードを種族カードといいます。
プレイ人数に応じて不要なカードを箱にしまいます。
【4人】全てのカードを使用します
【3人】④のマークのあるカードを取り除きます
【2人】④と3+のカードを取り除きます
各プレイヤーに以下の物を配ります。
- プレイヤーシート…1枚
- 点数表示タブレット…赤・透明 1個ずつ
- チェックディスク…黒・緑・黄・青 1個ずつ
自分のプレイヤーシートの得点エリアの「10」に赤いタブレット、「0」に透明のタブレットをおきます。
つまり、持ち点10点からのスタートとなります。
適当な方法でスタートプレイヤーを決め、スタートプレイヤーカードを受け取ります。
「ディール1」と書かれた辺を下にして自分の前におきます。
カードをよく混ぜ、中央に山札としておきます。
種族カードの見方
- 数字
カードの強さを示しています。
「1」~「8」、「-5」、「-5」、「10」、「12」のカードが各色あります。 - 色(種族)
カードの種族を示しています。
黒:ゴースト 緑:ドライアド 黄:ハーピー 青:マーフォーク - シンボル
選択ルール「1. 同盟締結」で使用します。 - プレイヤー数
プレイ人数によって使用するカードを示しています。
上記で説明しているように、カードを調整します。
『とりっく&でざーと』のルール
ここからは、とりっく&でざーとのルールを紹介していきます。
3~4人用のルールと2人用のルールでは、少しだけ異なる部分があります。
先に3~4人用のルールを解説し、その後2人用のルールとの違いを解説します。
① 準備フェイズ
各プレイヤーは、山札からカードを12枚引き手札とします。スタートプレイヤーは、以下の方法で決定します。
- 1ディール目:適当な方法
- 2.3ディール目:最も得点が少ないプレイヤー(2人以上なら現在の人から時計回りで近い人)
各プレイヤーは、手札から1枚カードを決めて、自分の前にふせておきます。
一斉に公開し、プレイヤーシートの「砂漠エリア①」においておきます。
② トリックフェイズ
各ディールでは、全部で11回のトリックを行います。11回目のトリックが終了すると、全員の手札がなくなります。
スタートプレイヤーから、時計回りに2つのアクションから1つを選んでプレイしていきます。
A. プレイ
手札からカードを1枚選んで、自分の前に表向きに出します。
他プレイヤーがすでにカードをプレイしていた時、2つの場合が考えられます。
・同じ色のカードがある場合
このトリックで、最初に出された色と同じ色のカードを出さなければいけません。
・同じ色のカードが1枚もない場合
最初の色とは異なる好きな色のカードを選んで出すことができます。
その際、プレイヤーシート上の出すはずだった色のディスクを下段に動かします。
最後の1枚を使った際ではなく、異なる色のカードを出した時にディスクを動かします。
B. パス
手札からカードを1枚選んで、自分の前に裏向きに出します。
プレイとは異なり、好きなカードを選ぶことができます。
ただし、プレイヤーシートの砂漠エリアがうまっている場合、パスをすることはできません。
1ディールにつき、パスは2回までしかできず、必ず2回行わなければいけません。
パスをした場合、トリックの勝敗には参加できません。
トリックの勝敗
トリックの勝敗は、プレイされたカードの色が全て同じか2種類以上あるかで変わってきます。
- 【プレイされたカードが全て同じ色の場合】
最も数字の大きいカードをプレイしたプレイヤーが勝利します。2人以上いた場合、先にプレイしたプレイヤーが勝利します。 - 【プレイされたカードの色が2種類以上ある場合】
トリックで最初に出された色と異なる色のカードの中で、 最も数字の大きいカードをプレイしたプレイヤーが勝利します。 2人以上いた場合、先にプレイしたプレイヤーが勝利します。
勝敗が決まった後の処理
トリックの勝敗が決まったら、次のように処理を行います。
【勝利したプレイヤー】
表向きのカードを全て獲得し、取り札とします。
取り札は、色別に分けて数字が見えるようにして並べておきます。
【パスをしたプレイヤー】
裏向きに出したカードをプレイヤーシートの 砂漠エリアに移動させます。
1回目のパス…②
2回目のパス…③ へ移動させます。
「-5」「10」「12」の場合は表向き、 それ以外の場合は裏向きにおきます。
次のトリックは、勝利したプレイヤーから開始します。
11回のトリックをくり返して全員の手札がなくなった時、 次のフェイズに移ります。
③ 革命フェイズ
② トリックフェイズが終了時の状態は、
- 0枚以上の取り札
- プレイヤーシートの砂漠エリアにカードが3枚
という感じになっています。その後、以下のように処理を行います。
各色の獲得できる点数を決めて計算する
各プレイヤーの砂漠エリアにある全てのカードを表向きにして、 色ごとに集めてきます。
各色のカードに書かれた数字を合計します。合計数字が大きい順に、獲得した取り札1枚の点数が決まります。
- 1番目に合計値が大きい色・・・2点/1枚
- 2番目に合計値が大きい色・・・1点/1枚
- 3番目に合計値が大きい色・・・0点/1枚
- 最も数字合計値が小さい色・・・-1点/1枚 ※
最小の値が0以下の場合、・・・-2点/1枚
合計値が同じ場合、低い点数で計算します。
例:2.3番目が「-1」・・・0点で計算する。
以下は計算例です。
2点×7枚=14点 1点×3枚=3点
-1点×2枚=-2点 -1点×1枚=-1点
合計 14+3-2-1=14点
2点×0枚=0点 1点×4枚=4点
-1点×2枚=-2点 -1点×2枚=-2点
合計 0+4-2-2=0点
プレイヤーシートの得点エリアで、獲得した点数に応じてタブレットを移動させます。
次のディールの準備
【1.2ディール目の場合】
スタートプレイヤーカードを次のディールに応じた向きに回します。
カードを全てシャッフルし、山札を作り直します。 その後、① 準備フェイズに従って準備を行います。
【3ディール目の場合】
ゲームを終了します。
ゲームの終了
3ディール目が終了したら、ゲームは終了します。
プレイヤーシートの得点エリアを確認し、得点が最も大きいプレイヤーが勝利します。
計算を行い、最も点数の高いプレイヤーがゲームに勝利します。
2人用ルール
2人でプレイする場合、準備にも記載の通り、「1~4」と「6~8」、「-5」1枚の合計32枚使用します。
ルールブックの訂正あり。 詳しくは公式サイトを確認して下さい。
2人プレイでは、後述する選択ルールを採用することはできません。
以下からは、各フェイズごとの違いを解説していきます。
① 準備フェイズ
- 各プレイヤーは、山札からカードを15枚引き手札とします。
残った2枚のカードは、あまっているプレイヤーシート1枚の砂漠エリアに裏向きでおいておきます。 - 2ディール目以降、スタートプレイヤーは必ず交代します。
② トリックフェイズ
- トリックフェイズでは、2人が順番に2回アクションを行います。
A① → B① → A② → B② という流れになります。
合計4枚のカードがプレイされますが、勝敗の判定は3~4人の時と同じように行います。 - 各プレイヤーは、「B. パス」を1ディール中に3回行います。 3回目にパスをしたカードは、砂漠エリア③に少しずらしておきます。
パスは、同じトリック中に2回行う事も可能です。 全ての手札がなくなった際、砂漠エリアに合計4枚のカードがおかれているようにしてください。
③ 革命フェイズ
- 合計10枚のカードを集めて計算を行います。
- 10枚の内訳
2人の砂漠エリアのカード4×2=8枚 準備フェイズでおかれた2枚
選択ルール
ここからは、2つの選択ルールを紹介していきます。
- 同盟締結
少し慣れた頃に採用すると、より戦略的な展開になります。 - 証人追放
難しいルールなので、全員がゲームに慣れ、トリックテイキングをよく理解した場合に採用してみましょう。
1. 同盟締結
同盟カードという、各種族に対応したカードを使用します。
準備フェイズの際、この同盟カード4枚を中央においておきます。
(1)同盟カードの獲得
・各ディールにおいて2回目のパスを行ったプレイヤーは、中央にある同盟カードから1枚選んで獲得し、
自分の取り札に加えます。パスをしたらすぐに実行するので、トリックの途中で行われることがあります。
・同盟カードは、必ず獲得しないといけません。
(2)同盟カードの得点
・取り札にある同盟カードは、その種族のカード3枚分として数えます。
・ただし、自分の砂漠エリアにおかれた同じ種族カードのシンボルの数分、価値が1枚ずつ減少します。
・砂漠エリアのカードを公開し、シンボルの数に応じて同盟カードを回転させて価値を示します。
・得点計算が全て終了したら、同盟カードは中央に戻します。
2. 証人追放
「2. 証人追放」は、「1. 同盟締結」と同時に採用してください。
このルールでは以下の3つの条件を満たす場合、 マストフォローのルールを無視して、最初に出された色と異なる色のカードをプレイすることができます。
【3つの条件】
① 砂漠エリアに空きがあり、その総数が手札にある 「本来出すべき色のカード」と同じか、空きが多い。
② 手札にある「本来出すべき色のカード」の中に、「-5」「10」「12」を含んでいない。
③ 以後、1ディール中に「本来出すべき色のカード」は全て「B. パス」に使用する。
本来出すべき色のカードより異なる色のカードの方が強いので、 トリックに勝利しやすくなります。
これを利用した戦略を立てることができます。
『とりっく&でざーと』の感想
・プレイヤーシートが便利
トリックテイキングに慣れていないと、ルールを間違えてしまいがちです。
出せない色をプレイヤーシートで管理すことができるので、 ルール間違えを起こしにくく、
遊びやすくなっているのがいいですね。
・悩ましい点がたくさんあっておもしろい
「ここは勝つべきか」や「これは得点を上げるためにパスに使いたい」など、非常に悩ましいです。
ですが、それぞれのカードを何に使うか考えやすいので、 楽しく考えられます。
・選択ルールで違った味わい
トリックテイキングに慣れた頃に選択ルールを入ると、より戦略的になって楽しめます。
お互いの動きの読み合いが激しくなる、いい選択ルールですよ。
・全くの初心者は厳しい
トリックテイキングが初めてでも、ボードゲーム自体の経験はある程度必要だと感じます。
相手との駆け引きや、カードを出すタイミングなど、カードゲームなどで慣れてからのプレイがいいでしょう。
最後に
今回は、『とりっく&でざーと』をご紹介しました。パスして捨てたカードで獲得したカードの点数が決まるという、独特な味わいで悩み所もあるゲームです。
ボードゲーム自体が初めてだと、ルールが少し複雑に感じると思うので、ある程度経験してからプレイしてみることをおすすめします。
トリックテイキング好きは、間違いなくハマる良作です。
2人プレイでも充分に悩ましく、
3人以上と変わらないぐらいおもしろいですよ。
初心者におすすめのボードゲーム20個を紹介
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👉No.001~020に紹介したゲームのまとめ記事は、こちら。