『モダンアート』はこんなゲーム
モダンアートは、5人の画家の絵画を様々な方式で競り落とすオークションゲームです。
各プレイヤーは順番に、絵画の出品者となって手元から競りにかけるカードを1枚出し、全員参加の競りを行います。
その絵画カードには、5種類の競り方がアイコンで示されていて、それに従って誰が購入できるかを決めます。
出品者以外のプレイヤーが落札した場合、その代金は出品者が得ます。
この流れを一定数行うと、画家ごとに絵画の価値が決まります。
それに従って落札者は絵画を売却し、代金を得ます。
これを4ラウンドくり返すと、ゲームは終了します。
最も多くお金を稼いでいたプレイヤーは、ゲームに勝利します。
ゲーム名 | モダンアート |
メーカー | ニューゲームズオーダー |
ゲームデザイナー | Reiner Knizia (ライナー・クニツィア) |
人数 | 3~5人 |
時間 | 45~60分 |
年齢 | 10才~ |
価格 | 3,300円(税込) |
☆こんな人におすすめ!
・競りゲームが好きな方
5つの方式での競りが楽しいですよ。
・きれいなコンポーネントが好きな方
カードの絵柄は全て異なる為、見ていて飽きないですね。
・お金をかせぐのが好きな方
価値が上がりそうなものを安く買って高くうる、経済の基本ですね!
『モダンアート』の準備
- ①ゲームボード
ゲームボードをテーブル中央に置きます。
- ②コイン
コインはゲームボードの脇にまとめて配置します。
これを「コインストック」と呼びます。そこから、各プレイヤーに「$100,000」ずつ配ります。
- 50…1枚
- 10…3枚
- 5…3枚
- 1…5枚
等の様に、細かいコインも用意しておきましょう。
ゲーム中の両替は自由に行えます。
- ③ついたて
各プレイヤーは、ついたてを1枚受け取ります。
それを自分の前に立て、持っているお金が他プレイヤーに見られないように隠します。
- ④市場価値
市場価値表示チップは、ゲームボードの脇に配置します。
- ⑤絵画カード
絵画カードは、ラウンドの開始時にプレイ人数に応じて以下の枚数を裏向き配ります。
1R 2R 3R 4R 3人 10枚 6枚 6枚 なし 4人 9枚 4枚 4枚 なし 5人 8枚 3枚 3枚 なし 絵画カードは手札とし、他プレイヤーに見えないようにします。
- ⑥競売人
適当な方法で最初に「競売人」を担当するプレイヤーを決めておきます。
『モダンアート』のルール
ここからは、モダンアートのルールを紹介していきます。
カードの見方
絵画カードの見方を解説します。
・画家の名前(上部)
背景の色でも確認できます。
・オークション形式(四隅にマーク)
・5人の画家
・Lite Metal 背景:黄色 12枚 | |
・Yoko 背景:緑 13枚 | |
・Christin P. 背景:赤 14枚 | |
・Karl Gitter 背景:青 15枚 | |
・Krypto 背景:ピンク 16枚 |
オークション
競売人のプレイヤーは、売りに出すカードを自分の手札から1枚選んで表向きに出します。
出されたカードに書かれた「オークション形式」に沿って、全員でオークションを行います。
オークションで最も高額な値を付けたプレイヤーは、その金額を競売人のプレイヤーに支払って絵画カードを獲得します。
競売人自身が絵画カードを競り落とすこともでき、その場合は付けた金額をストックに支払います。
また、オークションには以下の注意点があります。
- 獲得した絵画カードは、手札には加えず自分の前に置いておく
- オークションで付けられる値は、$1,000単位で行う
- 自分の所持金以上の値段を付けてはいけない
これからは、5種類あるオークションの形式を解説します。
公開競り
公開競りとは、順番無用で自由に最高値を更新できる形式です。
競売人を含む全プレイヤーが、口々に金額を叫んで値段を上げていきます。
これには、以下の条件があります。
- 値を付ける際は、それまでに出た値より高い金額を提示しなければいけない
- 同一金額が同時に宣言された場合、競売人が誰が先かを判定する
- 最高値が更新されなくなったら、これ以上値を上げないことを確認して終了する
- 誰も値を付けなかった場合、競売人が無料で絵画カードを獲得する
競り落としたプレイヤーが決まったら、金額を支払って絵画カードを獲得します。
一声
一声とは、競売人の左隣のプレイヤーから値を付けていく形式です。
これには、以下の条件があります。
- 競売人の左隣のプレイヤーから値を付けていく
- 値を付けたくなければパスができる
- 時計回りに1周、値を上げるかパスをするかを競売人まで行う
- 全員がパスをした場合、競売人が無料で絵画カードを獲得する
入札
入札とは、競売人を含めた全プレイヤーが競り値分のコインを握って出す形式です。
これには、以下の条件があります。
- 全プレイヤーは、自分の付ける競り値の分のコインを握って出す
- 値を付けたくなければ、コインを握らなくてもよい
- でそろったら一斉に公開し、最高値を付けたプレイヤーが落札する
- 最高値が複数人いた場合、競売人から時計回りで一番近いプレイヤーが落札する
(競売人が最も優先される) - 誰も値を付けなかった場合、競売人が無料で絵画カードを獲得する
指し値
指し値とは、競売人が提示した金額で買うかどうかを確認する形式です。
これには、以下の条件があります。
- 競売人が出した絵画カードの金額を決めて宣言する
- 競売人の左隣のプレイヤーから順番に、その金額で購入するかパスをするか選択する
- 誰かが購入した時点で落札となる
- 誰も購入せずに競売人まで回ってきた場合、競売人が宣言した金額で購入しなければならない
ダブルオークション
ダブルオークションとは、同じ画家の絵画カードを2枚競売にかける形式です。
これには、以下の条件があります。
- この絵画カードを出した後、1枚目と同じ画家の「ダブルオークション」ではないカードを2枚目として出す
- オークションは、2枚目の絵画カードに書かれた形式で行う
- 落札したプレイヤーは、2枚とも獲得する
- 競売人が2枚目を出さなかった(出せなかった)場合、左隣のプレイヤーが代わりに2枚目を出せる
2人目以降、出せなかったらさらに次のプレイヤーに確認していく - 2枚目を出したプレイヤーに競売人を交代する
- オークションの代金は、新たに競売人となったプレイヤーが総取りとなる
- 誰も2枚目を出さないまま1周したら、競売人が無料でダブルオークションの絵画カードを獲得する
- 競売人の交代があった場合、競売人を担当する順番が飛ばされるプレイヤーが出てくる可能性がある
ラウンドの終了
ラウンド中に、同じ画家の5枚目の絵画カードが出された場合、そのオークションを行うことなくラウンドは終了します。
また、4枚目のカードがダブルオークションのカードで5枚目に同じ画家の絵画カードを出した時点で、 その2枚のオークションを行わずに終了します。
ラウンドが終了したら、続いて以下の順番で処理をします。
① 絵画の換金
絵画の換金は、以下の順番で行います。
- ①各画家の絵画カードを数える
各画家について、このラウンド中に何枚の絵がオークションにかけられたかを確認します。
この際、ラウンド終了のきっかけとなったカードも数に含めます。
オークションにかけらた枚数が多い画家は、人気だとされます。
- ②画家の順位を決める
この枚数を元に1~3位までの順位を決めます。
絵画カードが1枚も売りに出されなかった画家は、順位が付きません。
オークションにかけられた絵画カードの枚数が同数だった場合、 ゲームボードの左側の画家を上位とします。
- ③市場価値を決める
このラウンドの順位にもとづいて、ゲームボード上に「市場価値表示チップ」を置きます
マス目は、一番上の1ラウンド目から4ラウンド目まであります。
1位の画家 $30,000 2位の画家 $20,000 3位の画家 $10,000 このチップを順位に応じて置きます。
- ④絵画カードを換金する
このラウンドで1~3位までになった画家の絵画カードは、値が付きます。
また、これまでのラウンドで「市場価値表示チップ」が置かれていた場合、 それらを合計することができます。
このラウンドで4位か5位になった画家のカードは、過去の市場価値は考慮せずに$0として換金されます。
各プレイヤーは、このラウンドで獲得した絵画カードを換金し、コインを受け取ります。
② 次のラウンドの準備
このラウンドで獲得した絵画カードは、$0の物も含めて換金し、ラウンド終了時のカードも併せて捨て札にします。
残った手札は、次のラウンドに持ち越します。
山札からラウンドに応じた枚数の絵画カードを補充します。
最後の競売人(5枚目のカードを出したプレイヤー)の左隣のプレイヤーから、 次のラウンドを開始します。
ゲーム中に手札がなくなってしまった場合、そのプレイヤーは競売人の順番を飛ばされます。
オークションには参加することはできます。
第4ラウンドで全員の手札がなくなった場合、最後の1枚が出された瞬間にラウンドは終了します。
ゲームの終了
第4ラウンドの絵画の換金を終えた時点で、ゲームは終了します。
全プレイヤーは、ついたてを外して所持金を公開します。
最も獲得した金額がの多いプレイヤーは、ゲームに勝利します。
複数人いた場合、それらのプレイヤーで勝利を分かち合います。
選択ルール
3人プレイ時とダブルオークションに関して選択ルールがあります。
3人プレイ時の選択ルール
各ラウンドの開始時に、4人プレイであるかのように4人分の手札を配ります。
余った1人分の手札は、裏向きのまま脇に置いておきます。
オークションで落札したプレイヤーは、支払いを終えた後に「脇によけた4人目のカード」 から1枚表向きに公開する選択をします。
表向きにした絵画カードは、このラウンド中はそのまま公開しておきます。
この絵画カードは、オークションの対象にはなりません。
ラウンドの終了条件である「同じ画家の5枚目の絵画カード」かどうかを数える際に、数に加えます。
表向きにした絵画カードが、いずれかの画家の5枚目のカードだった場合、 直ちにラウンドは終了します。
表向きにした絵画カードは、ラウンドが終わったら捨て札にします。
ダブルオークションの選択ルール
ダブルオークションにおいて、2人のプレイヤーが1枚ずつカードを出した場合、2人の間で売り上げを分け合います。
通常は「2枚目のカードを出したプレイヤー」が総取りします。
分けきれなかった端数は、2枚目を出したプレイヤーが受け取ります。
2人のどちらかが落札した場合、金額はストックに支払います。
『モダンアート』の感想
・没入感がある
テーマが「絵画のオークション」とシステムそのものなので、合わないはずがありません。
また、次々といろんな絵が様々な形式でオークションされていく様子は、本当に絵画商人になった気分が味わえて楽しいですよ。
・大損はしないので遊びやすい
価値が付かない絵画を持っていても、所持金が失われることはありません。
絵画を購入する時に支払い過ぎてしまうことはあり得ますが、競売人になれば収入も得られます。
大きな損はしずらいので、遊びやすいですね。
・最後までドキドキできる
みんなの所持金は、最後まで明かされません。
どこまでの金額を出して競り落とすかなどの「相場観」を探るのが楽しいです。
・相場観をつかみ切るのは難しい
とは言え、「一体いくらで買えばちいいのかわからない」という感覚になるのもわかります。
個人的な目安は、「絵画を換金したらいくらになるのか」を意識しつつ、「1位で換金しても損しない程度の金額」には抑えようと考えるといいかなと思います。
最後に
今回は、『モダンアート』をご紹介しました。ライナー・クニツィアさんの制作された、この「競り」というジャンルではかなり有名な作品です。
「競りゲーム」がとっつきにくく苦手意識がある方もいるかと思いますが、その世界観といろんな形式で行われる競りは、ゲーム中常にプレイヤーをワクワクさせてくれますよ!
オインクゲームズさんでは、
何度かリメイクもされてるんですよ。