皆さんは、普段どういった所でボードゲームを購入されていますか?
近くに取り扱いのあるお店があればそこで購入したり、当ブログでも紹介しているようにネット通販で注文される方も多いと思います。
ボードゲーム即売会等のイベントも、
ボードゲームを購入する場ですよね。
近年では都市部はもちろん、いろんな地方で「ボードゲーム即売会」が開催されています。
そこでこの記事では
・ボードゲーム即売会について
・開催するのに必要な6つの項目
・実際に開催する場合の注意点
などを紹介します。
そんな僕は、 4年半以上ボードゲーム会を主催してきました。
おかげで多くの友人にも恵まれ、楽しいボドゲライフを過ごしております。
また2024年10月26日に、「とくしまボードゲーム市場(ボドイチ)」というボードゲーム即売会を主催しました。
僕もいつかは主催してみたいと思っていて、
ついにその夢を実現することができました!
実際にボードゲーム即売会を主催した経験を元に、できる限り詳細に運営方法を解説していきますので、主催してみたいなという方はぜひ最後まで読んでみて下さい!
ボードゲーム即売会とは
ボードゲーム即売会とは、「電源を使用しない」ボードゲームをはじめとしたアナログゲームやその関連商品、並びに中古品等を販売するイベントです。
ボードゲームやTRPG、マーダーミステリーやボードゲームグッズ等を個人や企業で制作されている方は、今やとても多くいらっしゃいます。
また、たくさん所持していて手放す手段として中古販売を検討されている方もいらっしゃいます。
そんな方々にブース出展していただき、ボードゲームが好きな方々との交流や売買などが行えるイベントです。
有名なイベントですと、「ゲームマーケット」や「Board Game Business Expo Japan」などがあります。
近年では、東京や大阪の様な都市部以外でもこういったボードゲーム即売会が多く開催されています。
タイムスケジュール
以下で示すタイムスケジュールは、執筆者であるコバが実際に2024年10月26日に主催した、「とくしまボードゲーム市場(ボドイチ)」でのスケジュールを掲載します。
即売会の準備をし始めてから開催に至るまでのおおよそのタイムスケジュールはこちらです。
あくまでも、会場やスタッフの人数などによってスケジュールが異なると思いますので、参考程度にお願いします。
- ・3月2日BGBE JAPAN 取材
- ・3月23日BGBE JAPAN 参加
出展者さんに挨拶 出展のお誘い
- ・4月12日会場と打ち合わせ開始
- ・5月10日イベント開催を発表
- ・5月24日会場利用料 支払い
- ・5月29日出展者募集開始
Googleフォームでの募集開始 締切8月20日
メールやSNSで企業や親交のあるサークルさんへ連絡 - ・5月30日ロゴ発表
- ・6月10日チラシ 第1段
ネット印刷で入稿
- ・6月16日ボードゲーム体験ブースの出展
他イベントにてボードゲーム体験ブースの出展&イベントの宣伝
- ・7月7日出展者多数の為、早期に募集締切
- ・7月8日出展者当選連絡&発表
出展料の案内 ブース紹介文等の依頼
- ・7月25日出展料 振込締切
- ・7月28日会場予定地周辺でイベント開催
- ・8月12日チラシ 第2段
ネット印刷で入稿
- ・8月19日地元メディア等に宣伝依頼開始
- ・8月25日ボードゲーム交流会「ボドトーーク」に参加
宣伝やゲーム制作に携わっている方との親睦を深める
- ・10月1日出展者へ最終連絡
- ・10月25日前日に会場準備
- ・10月26日イベント当日
開催するのに必要な6つの項目
いよいよここからは、「即売会を開催するにあたって必要な6つの項目」をお伝えしていきます。
1. アカウントの作成
1つ目は、出展者との連絡や告知、様々なものを制作する際に必要な「SNS等のアカウントの作成」です。
これらのアカウントを作成して、以降で行う事柄を管理していきましょう。
僕が作成したアカウントはこちらです。
・X等のSNS
・Google
・Canva
・ブログ等HPの制作
・Discord
では、それぞれどういった用途で必要かを解説します。
① X等のSNS
主な用途
- イベントの情宣
- 出展者との連絡
イベントを知ってもらうには、まずはSNSでの情報拡散が必須です。
イベントを開催することを知らせるのはもちろん、出展者の募集開始や 出展者の紹介、会場周辺情報等、ありとあらゆる告知には全てSNSでのお知らせが必要です。
「X」は、ボードゲーマーの方は多くの方がアカウントを持っているので、他のSNSの運用をするとしても、「X」だけは必ずするべきかと思います。
② Google
主な用途
- 様々なフォームの作成
- 出展者との連絡
- データの保存、共有
出展者募集フォームやアンケートなどは、「Googleフォーム」で作成することをおすすめします。
その他、出展者の方への連絡はやはり「メール」が必要になります。
また、チラシデータやその他準備物のデータを保存したり、資金管理のスプレッドシートなど、様々なデータ管理のストレージとしても大いに活用できます。
③ Canva
主な用途
- チラシなどの広告物の作成
- 会場内に掲示する案内物の作成
- 出展者やスタッフの名札データの作成
基本無料で様々なデザインが作れるサービスです。
テンプレートもあるので、デザインが苦手な方でも手軽に作成できます。
④ ブログ等HPの制作
主な用途
- 出展者募集フォームの設置
- 来場者向けにイベントや出展者情報の告知
SNSだけでは、情報が流れていってしまいます。
出展者や来場者に向けてイベント内容を知らせるためには、無料のブログサービス等でいいので公式ページを設けましょう。
僕も使っている「JIMDO」のページはこちら。
⑤ Discord
主な用途
- スタッフ間の連絡や会議
音声や文章で会話ができるサービスです。
運営について音声でも文章でもいつでも会議が可能です。
議事録などを残しておくと、やらないといけないことがいつでも確認できて便利です。
2. イベント内容の推敲
2つ目は、「イベント内容の推敲」です。
イベントを開催するにあたって、どういった考え・思いで開催したいのかは、最初に決めておく方が良いでしょう。
今後起こる問題に対して、ここで決めたことを指針に判断していきます。
考えておくべき項目は、最低でも以下の様なものは必要になります。
・ターゲット
・出展物の種類や方向性
・来場者からも料金を頂くか
どういった方に来てもらいたいイベントにするかは重要です。
「ボードゲームに触れたことがない方」や「近隣の方向け」、「お子さん連れの家族」など。
どういった作品を頒布するイベントなのかを決め、出展者を募る際には具体的に示すようにしましょう。
ターゲットが決まっていれば、どういった種類の物がいいかも併せて決まってくると思います。
会場の規模にもよりますが、重要な点です。
無料ですれば、来場者の管理はそこまで難しくないですが、 予算が小さくなります。
有料にすれば、予算はある程度確保できますが、チケットの発行(電子含む)や入場者管理は必要になってきます。
有料の場合は、最近はやはり「電子チケット」を採用しているイベントが多くなってきています。
以前に開催前にアンケートを行った所、
- 500円程度であれば許容してくれる方が多い
- 入場料がかかるなら、試遊スペースやイベント等、支払うに足る内容が欲しい
との意見もあります。
「電子チケット」としては、以下の様なサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
3. 会場手配
3つ目は、「会場の手配」です。
考えておくべき項目は、最低でも以下の様なものがあります。
・立地
・料金(営利目的の場合で確認)
・規模
駅やバス停などの公共交通交通機関が近いか、 車で来場された場合に駐車場があるかなどは重要です。
地域の方はもちろん、他の地域からの来場を見込むのであれば、わかりやすく行きやすい場所にある施設が良いでしょう。
イベント内で金銭の授受を伴うとなれば、基本的には「営利目的での利用」となる場合が多いです。
施設のHPなどで開示されている料金は、多くは「非営利」の際の料金です。
「営利目的」の場合には数倍かかることがほとんどなので、きちんと確認しておきましょう。
どれぐらいの出展者に来ていただくか、どれぐらいの方に来場してもらうかを想定して、施設の規模を決めましょう。
この3点が決まれば、どんな施設がいいか決まってくると思います。
あとは、いつから予約ができて、料金はどの様に支払うのかを確認しておきましょう。
会場が決まったら、担当者に詳しくイベント内容を話したり打ち合わせをしていきましょう。
また、あとで解説する「5. 広告物の作成・宣伝」や「6. 備品準備」の項目で必要な経費(1~2万円)と会場費を足した金額が、必要な費用の合計です。
この時点でおおよその予算と出展料、入場料などを計算しておきましょう。
収入と支出がぴったりではなく、少し余裕があった方がいいでしょう。
4. 出展者の募集・管理
4つ目は、「出展者の募集・管理」です。
考えておくべき項目は、最低でも以下の様なものがあります。
・出展者規約
・出展者募集フォーム
・出展料の計算
・出展料の管理
・その他対応窓口
出展ブースの大きさや出品可能な作品について、出展料の支払いや会場の注意事項等の詳細な内容を出展者に説明する物です。
出展者の募集時には決めておき、内容を確認してもらうようにしましょう。
記載しておくべき項目
- イベント概要
- ブースのサイズや出展料
- 出展できる作品等の内容
- 申込方法や出展料の支払い方法
- 荷物の受け入れ方法
- その他諸注意
Googleフォーム等を使って、出展者からの申込を受け付けます。
Googleフォームは、利用料が無料で入力内容をスプレッドシート(Excelの様なもの)に連携できるので便利です。
Googleフォームの作成の仕方は、こちらの解説を参考にしてみてください。
会場料金から出展ブースの種類があるならそれぞれの金額を設定し、その他の必要経費を含めた金額を想定しているブース数で割って金額を設定します。
地方であれば、いろんな所から出展者に来てもらうことを考えると、交通費や宿泊費などを出展者に負担していただくことになります。
アンケート結果や主催の経験から、5,000円以内ぐらいであればそんな地方でも出展を検討してもらえるかと思いますが、各イベントの状況で無理のない程度に設定しておきましょう。
出展ブースが決定した後に出展料をいただくので、管理する方法を決めておきましょう。
- 当日現地で集金する
メリット:口座の準備が必要ない
デメリット:最後まで資金が確保できない・ドタキャンされやすい - 主催者の口座に振り込んでもらう
メリット:事前に資金が確保できる・誰からいただいたか管理しやすい
デメリット:口座を準備しないといけない
開催するにあたって、様々な事項があります。
『出展者・ブース管理担当』や『会場との交渉担当』などを設定しておくと、それぞれからの問い合わせで誰が回答するのかがはっきりします。
どちらに対しても丁寧に対応できるようにするためには、設定しておく方が良いでしょう。
5. 広告物の作成・宣伝
5つ目は、「広告物の作成・宣伝」です。
考えておくべき項目は、最低でも以下の様なものがあります。
・ロゴ
・チラシ,ポスター
・公式ページ
・ボードゲーム系メディア
・地元メディア
イベントの宣伝には、ほぼ必須だと思います。
自分で作成するのが難しい場合は、デザインを依頼できるサイトなどに依頼して作ってもらうのがいいでしょう。
SNS等でのデジタルな宣伝はもちろん必要ですが、紙媒体の宣伝も必要です。
僕が主催したイベントでも、10%前後の方がチラシやポスターを見て来場を決めた方がいました。
ボードゲーム関係のお店や、それ以外の飲食店さん等にも協力していただけるなら、設置させていただく方が良いでしょう。
チラシ等のデザインも、ご自身で作成するのが難しい場合は、デザインを依頼できるサイトなどに依頼して作ってもらうのがいいでしょう。
印刷は、ネットプリント等で注文すると便利です。
ネットプリントの方法
プリントパック等のネットプリントであれば、PDFデータ等で入稿ができます。
到着までの日数に余裕があると金額が安くなったりするので、早めに準備しておきたいですね。
1. アカウントの作成でも解説したブログ等のHPを作成し、出展者情報や会場での注意事項などを掲載しておくと、来場者にとっては優しいでしょう。
ボドイチでは、ジンドゥーというサービスで公式ページを作成していました。
作成したページはこちらです。
また、弊ブログ内でもページを作成していました。
ニュース情報等を取り扱っているHPやYoutubeチャンネルなどには、情報提供の受付フォームなどを設けている方もいます。
ボードゲーム好きな方に情報を届ける方法としては、有効だと思います。
フリーペーパーや地元のイベント情報を掲載しているHP等では、情報提供の受付フォームなどを設けていたりします。
また、テレビやラジオのイベント宣伝コーナーなどもダメ元で連絡してみるのもアリかもしれません。
6. 備品準備
6つ目は、「備品準備」です。
準備しておくべき項目は、最低でも以下の様なものがあります。
・名札
・印刷物
出展者やスタッフ等に配布する物です。
100枚で2,000円前後で購入できるので、事前に購入してそれぞれ必要な数分用意しておきましょう。
その際、出展者やスタッフの分は少し余分に用意しておくといいでしょう。
出展者であれば、ブース名をブランクにして急遽人数が変わっても書き込めるように準備しておくといいでしょう。
会場に貼っておく案内等も、開催の前には用意しておきましょう。
僕が用意しておいたものは、こういったものです。
- 会場マップ
- 会場案内
- 来場者アンケートの案内
- 出展者一覧
- 出展ブース名
- 立ち入り禁止場所の案内
イベントの状況位応じて必要な物があれば、準備しておきましょう。
番外編 交流会
番外編として「交流会」も検討してみると良いかもしれません。
出展者の方も、イベント中はなかなか出展者同士で交流する時間がなかったりします。
また、せっかく来ていただいているので、食事など地元の魅力をお伝えするいい機会です。
今後、継続的にイベントを行っていくようでしたら、出展者さんからの貴重な意見を聞ける場でもあるので、可能であれば開催してみるといいかもしれません。
意外と、出展者さんは「交流会が楽しみ」と考えている方もいますよ。
実際に開催する際の注意点
実際に開催する際に、注意しておくべき細かな点を紹介します。
手伝ってもらえる友人
イベントの計画段階はもちろん、当日もスタッフは必要です。
例え小規模なものだとしても、会場の設営や片付け、出展者や来場者への案内やトラブル対応、列の整理など、対応することはたくさんあります。
事前に声をかけておいて、手伝ってもらえるようにお願いしておきましょう。
金銭の管理
出展者さんからの出展料をいただいたり、会場費や備品の購入など、お金が動く場面はたくさんあります。
簡単でいいので、お金の動きを記録しておくためのものは作っておく方が良いでしょう。
役割分担
「4. 出展者の募集・管理」でも解説しましたが、それぞれ誰が何を担当するかを決めておくことは必要です。
- 出展者とブース管理担当
- 会場との交渉担当
- 金銭の管理担当
- 広報担当
全て担当者を分ける必要はないと思いますが、誰がどれを担当するか決めておくと、いざという時に対応がスムーズです。
事前の関係作り
出展者が集まらないと、そもそもイベントが成立しません。
SNS等で募集するだけで想定のブース数が埋まればいいですが、なかなか難しい可能性もあります。
他のボードゲーム関連のイベントや交流会等、制作されている方やボードゲームが好きな方と話すことができる機会には積極的に出向いておく方が良いでしょう。
そこで、イベントの開催を検討している旨を話して、開催することが決まったら連絡できるように、連絡先の交換などをしておくと良いでしょう。
勧誘行為に当たる場合があるので、事前にそういった話をしても良いかは、イベントの主催者に確認しておく方が良いでしょう。
写真等の記録
イベントの様子や各ブースの様子など、記録やSNSへの投稿用として写真撮影を検討するかと思います。
出展者規約などでの案内や、撮影前などにも用途を話して同意を得てから撮影や投稿を行う様にしましょう。
最後に
今回は、「【保存版】ボードゲーム即売会の始め方|準備から運営に至るまで【6つの項目】」ということで、ボードゲーム即売会の始め方をご紹介しました。
正直な所、決して「みなさんに向けて役に立つ」といった内容の記事ではないと思います。
また、「この項目全てを行えば必ず開催できる」といった性質のものでもありません。
ですが、地方からボードゲーム業界を盛り上げることができれば、主催される方自身はもちろん、周囲の環境も変わってくるのではないでしょうか。
この記事を機に、いろんなイベント主催者さんと交流や情報交換ができ、各イベントがより盛り上がっていければ幸いです。
僕も徳島でイベントの運営を頑張っていきますので、
ぜひ遊びに来てくださいね!